水と油 in America
アメリカ / ニューヨーク
10月8日
みなさんおはようございます。ご機嫌麗しゅう。今回は水と油アメリカ大陸初上陸ということで、今までのツアーとちょっと何か違った盛り上がりをみせている水と油の面々をよそに、今回もスタートは、私すがぽんからレポートさせていただきます。
いや〜、それにしても今日は何と長〜い8日なんでしょう。8日になってから36時間たつのにまだ9日になっていません。これは得したというんでしょうか?さすがに今日はくたくたで夜の11時30分を過ぎると正直眠いです。そこを何とか頭の記憶をたどり徒然なるままに書いていこうと思います。
出発の朝、午前中の飛行機ということで、みんな早めに集まりいつものように恒例の『 成田で乾杯!』でスタートしました。今回同行いただいたスタッフさんは照明の阿部さんだけなので、いつも一緒に同行していただけていた伊東さんがいません。なのでみんな、『なんかいつもと違うね。』と口々に言っていました。思えば伊東さんとは『四角い箱』以来ずうっとお付き合いさせていただいているので、私すがぽんと同期ということになります。ん〜月日がたつのは本当に早いものですね。
長い移動時間も、機内映画ですでに私、5〜6回は見ているであろう作品(すべて機内で見ているのですが)『ブリジット・ジョーンズの日記』で毎回泣き笑い。「おめでとう!ブリジット!!」感動に打ちひしがれふと横をみると、僕よりも大きなリアクションで満足そうに目を潤ませているじゅんじゅんを発見!少なくとも二人は退屈することもなく移動できたようです。
無事空港に着き初めてのアメリカの空港の感想は「以外に古くて汚い?」でした。でも考えてみれば古いってことは昔からある空港なのですから、さすがアメリカ進んでたんだなと思い空港の名前を聞くとJFK空港。ん?以外に最近じゃない?アメリカってと、少し疑心暗鬼になりつつ送迎バスで、いざニューヨークの中心地へ!移動中も「なんか以外に緑が多くてへ〜、そうなんだ〜。」と思ったよりさえない感丸出しでみんな『アメリカって』となりかけたところ!!!ババ〜ン!出ました!!!アメリカさん疑ってごめんなさい。『ニューヨークさん!さえないなんて少しでも思ってごめんなさい。』とにかくすごいんです。きまくりまくっててかっちょいいビルや建物満載、山盛り、てんこ盛りなんです。溢れ出しちゃってるじゃあ〜りませんか!さすが世界のさきっちょ最先端。風格十分横綱級でございました。映画で見たあのシーンこのシーンが目白押し。マンホールから立ち上る湯気。バニラスカイでトムクルーズが走り回ったあの通り。スパイダーマンが糸を出して飛び回ったあの場所。マトリクスのキアヌが駆け下りてそうな非常階段と、まさに原寸大の映画セットにいるかのような印象をうけました。現実なのか非現実なのかわからなくなる感じもまたいい。そして町に働く人のパワーと熱気がとにかくすごいんです。往来の激しい中央分離帯でパンツ一丁で歌うお兄ちゃんや、隣のおばちゃんと楽しそうに話しながら歩いてると思いきや突如バク転をして何もなかったかのようにまた話に没頭する美女。とにかくなんだかすごいんです。圧倒されながら劇場のあるジャパンソサイエティーに行き、机などの組み立てをしつつここニューヨークで絶対勝ちたいとひそかに思うのでありました。
ふぁ〜〜〜さすがに眠い。限界です。そろそろここいらで僕の10月8日もそろそろ終えさせて頂くことにします。よっしゃー!一泡吹かせてやるぞ!待ってろニューヨーク!!
10月10日
こんにちは!じゅんじゅんです。みなさんはニューヨークに来たことがありますか?
ぼぐぢんはもちろん初めてです。つまりバージン!彼ったら荒々しくてしかも洗練されてるの!背ももちろん高くて381メートルもあるの、、。 す、すみません。フツーに書きます。とにかく水と油ちゃんアメリカ大陸初上陸なわけですよ。しかもニューヨーク!!!!
時差も何と14時間!思いっきり時差ボケになりつつも、気合と興奮で何とか乗り切りたいところ。さあいよいよ今日は本番!どうなりますか?今日の集合は10時半。その前に少しでも敵の様子を観察して夜の本番に備えようと、すがちゃんと町の探索に出かけました。僕らのホテルはタイムズスクウェアの近くにあり、マンハッタンの中心でこんなチャンスを生かさない手はないと思いうろちょろ。とにかく高いところに登ろうと、エンパイヤステートビルにいくことに。いきなりA級物件制覇です。何とかたどりついて上に登ってみました。イヤーすごいね!しかしあんまり高くてキュンキュン来てます。バルコニーで下界を見下ろしているうちにどんどん気分がデカくなり「おまえたちがまだ知らない世界を今夜見ることになるだろう!」などどほざきだす俺ら!まったくおめでたさも満点で劇場に向かいました。細かいチェックも終え、ゲネプロ(通しリハーサル)に。こっちではゲネプロのことをドレスリハーサルっていうんです。最初聞いたとき、ニューヨークバージンを奪われたおれは、「まあドレスリハーサルなんて素敵!あたしはやっぱ絶対に純白のウエディングドレスがいいわもちろんシルクよ!きゃあああああそんでお色直しは肩を出した赤いドレスね彼をびっくりさせてやるのかれったらそんなあたしを見てきれいだよなんていうのううんぜったいいわせるのっていうかいうにきまってるのおおううぅぅぅう」なんつーブライダル&ハッピーな妄想が膨らんでました。おれはおすぎか?
ゲネプロを終え、後は本番を待つばかりです。しかしやっぱ不安ですね。細かいところが気になりだし、そうすると、「ニューヨークのお客は渋めなんじゃないの?やっぱミュージカルの国なんじゃないの?」なんて言葉が頭をよぎりだし一気にダウナーになっていきました。ま、まずい。こんなんじゃあ負けちまうぜって事で気合を入れつつ準備です。裏でエイエイオーとやったあと開場時間になりました。お客さんの声が聞こえ緊張も高まってきます。さて、いざ本番!お客さんは140〜50くらいかな。みんな良く笑って熱心に見てくれています。作品は進み無事にエンディングへ。最後の暗転になったときから拍手がなりカーテンコールに。イヤー拍手大きいよ!何人かスタンディングオベーションで迎えてくれてます。おいおいマジでやったんじゃないの?やっちゃったんじゃないの?水ちゃん油ちゃん勝っちゃったんじゃないの?大きな拍手の中うらに戻りみんなでガッツポーズです。終わってすぐにレセプションがありお客さんと歓談しました。みんな一様に面白かったといってくれたり熱心に感想をくれたり質問をしてきたりで、喜んでもらえたようだと改めて一安心。かなり遅くまでレセプションは続きました。12時近くなってようやっと会場を出てご飯を食べに行くことに。今日はコリアンタウンの韓国料理屋。おいしい料理でほっとしつつ。盛大に乾杯です。いやーよかったよかった!ホテルまでの帰りは今回初のタクシー、イエローキャブに乗りました。深夜のニューヨークをタクシーで走ると、気分はもうデニーロです。映画の曲が頭に流れつつ、間近に見る町の景色は最高。ぼくチンは完全にタクシードライバーの中に入ってしまいました。
まずはNY一勝!!!以上ご報告まで!
10月11日
いよいよ「スープ」のツアーも最終日。今年の3月の新潟から始まったこのツアーもこれで最終だと思うと、感無量ですね。しかし、感動に浸っているわけにはいきません。前半は苦戦を強いられたこのツアー、東京・大阪とすこしずつ上り調子になっているので、今日の最終日は絶対に負けたくないのです!
昨日はレポートにあったようにかなりの手ごたえがあったので、今日も何とか、何とかしたいです。でも、残念なことに、雨なんですよ!大雨!!NYは雨が降らないと勝手に思っていたので、かなりのショックです。このせいで客足にひびいたら…。OH MY GOD!NY様は、水と油が嫌いなんでしょうか?いやいや、そんなことはないはず、きっと、街で遊ぼうと思っていた人が、今日は劇場にでも行こうかな、と思ってくれるはず ・ ・ ・。とにかく、近所の胡散臭い雑貨屋で、スペシャル折りたたみ傘を買って元気よく劇場入りです。
さて、今回の劇場は舞台の大きさが東京で公演をした「シアターX」とほぼ同じぐらいで、客席数280席ほど。劇場スタッフも日本人の方がいるので、問題はほとんどなく、正に「スープ」をやるためにあるような劇場なのですよ。音響の伊東さんと舞監の宇佐美さんがいないので、パーフェクトとはいえませんが、現地の音響さんも彼女を連れてきている?ので気合がはいっているとのことですし、ぞくぞくと劇場入りしてくるメンバーも何かオーラのようなものが ・ ・ ・。期待はいやが上にも高まっていきます。
いつも通り細かいチェックをして、さぁ本番。と立ち上がると、突然「ブチィ」という音!よく見てみると靴の紐が ・ ・ ・えっ、うわぁー、ふっ不吉な!落ち着いて!まぁまぁこういうこともあるだろうと気を取り直して、靴紐を直すために屈むと今度は、ベルトが「ブチィ」っと ・ ・ ・。あまりの出来事に、しばし呆然です。ベルトは替えがないので、ガムテープで止めるという荒業でしのいでいると、「さぁいきましょうか!」と劇場の宮井さんのさわやかな声で待ったなし本番が始まってしまいました。「何か不吉なことが ・ ・ ・」と皆に伝えるひまもありません。思いっきりテンションが下がり、ブルーになったまま、舞台に立ってみると、おやっ、手が震えています。スプーンを持った手は、震度5ぐらいはありそうです。これじゃまずいとあわてて、スプーンからグラスに切り替えてみても激震は止まりません。小刻みに震えながらコマ送りのような演技でお客様にご対面です。(後で聞いたらそうは見えなかったそうですが)気を取り直し、やっとのことで震えを押さえ、じゅんじゅんからメニューを受け取ると、なんと、じゅんじゅんの手が震えているじゃありませんか!また、それにつられて二人で、異例の「震えるレストラン」の開演です。この時点で「敗北」の二文字がくっきりとうかんできて、かなり投げやりな気分になってしまいました。でも、演技を続けていると、あらまっ、どうしたことでしょう?お客さんは食いついているようです。なんとか、最低線はクリアしているようです。ふぅー助かりました。かなり、異様な感じだったと思うのですが、なんとかきり抜けている様子です。
とその直後、今度はすがぽんの顔に異変が起きていました。それを発見したももこんの話によると、『「タクシー」という初めのほうのシーン中、すがぽんがラストのところで、私の方を振り返ったときに、それはすでに一筋の滴として鼻の下方を流れていました。鼻血です。本人は全く気づいていない御様子だし、舞台上でもう一度見たら噴出して笑ってしまうかもしれないので、早く伝えなくては ・ ・ ・と思ったのですが、裏がつながっていない為、なかなか伝えられず ・ ・ ・。伝えられたのは、公演の終わりのほうになってからでした。』本人が半分以上、気がつかずに鼻血を出したまま出ていることもびっくりなのですが、観ていた人に聞いたら、皆「判らなかった」ということで、もっとびっくりです。公演としては気付かれなかったことは良かったのですが、普通わかりますよね?鼻血は!どうなってるんでしょ?まぁそうこうしているうちに、いつのまにか公演は終了し、ビックリ大盛況のうちに幕を閉じました。いろいろあったのにお客さんには、何とか楽しんでいただけたようです。なにか、不思議な感じは残りますが、とにかく良かった!良かった!
あっ、そうです。あとで、確認したら、なんと、チケットはSOLDOUT!うひゃー!!当日券だけでも異例の枚数が出たそうです。やりました!これは、勝利といってよいのではないでしょうか?パチパチパチ。
公演後、打ち上げの席で僕らを呼んでくれたポーラも喜んでくれました。ホッとしています。また、NYに戻ってこられることを楽しみにして、長かった今年一年の「スープ」のツアーは、幕を閉じます。最後にこのツアーを通じてご協力くださった方々に感謝しています。本当にありがとうございました。そして、これからも「水と油」をよろしくお願いしますね。