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小林正英誕生秘話 2 by じゅんじゅん 

こんにちは じゅんじゅんです。久しぶりのコラム。

ちょっと前の書き込みでチャコさんがチェコまで行ったと言うのを書いていましたが、「す、すげえ」と思いました。僕もシュワンクマイエルは大好きでユーロスペースに見に行ったリビデオをみんなで廻したりしていました。最初はブラザーズ・クウェイの「ストリートオブクロコダイル」から入ったんだけど、クウェイはいかにもイギリスでゴシック!って感じなんだけどあれよりキッチュでポップな印象がありわくわくしましたね。アルチンボルドのヤツなんか特に好き!

今度のヤツはどうなんでしょうか?観に行きたいなあ、まだやってんの?
そんでそんな頃マサヒデに「これはヤバいよ!」といって見せられたのが「親指トムの冒険(?)」ってヤツ(題はもしかしたら違うかも)。これは人間も出てるんだけど人間自体もコマ撮りでとって人形と共演してるんです!これがとにかくおもしろい。どう観ても人形の方が自然で人間はすげー不自然に見えるんです。出てる人そのものも「いったいドコから集めて来たんだ!?」ってな感じのヤツばっか(実際は撮影のスタッフらしい)。そんで監督のクレジットは「ボレックス・ブラザーズ(!!)」。僕はその時「大事なことは兄弟で作るってことだな!」って思いました(笑)。コーエンも然り、今だとウォウシャウスキーも然り、みんな兄弟です。そんでぼくは興奮した挙げ句マサヒデに「おい、兄弟になろうぜ。」と他人が聞いたら激ヤバな『お誘い』発言を発射していました!ふっと何気ない気持ちで押したボタンが核ミサイルのボタンだったような感じとでもいいましょうか、もちろん他意はなくピュアーな気持ちでの発言でした。しかし爆弾投下、ダム解放。マサヒデもビデオの余韻に浸りながら上気した顔で「おお、そおだな!」「早くやりてえな、、、、。」ともはや禁断のトビラを開くような返事をしつつ、ニヤニヤ笑っていました。その時は気付きませんでしたが2人とも向こう岸でした、、、、。

なんつー不毛でハッピーな日々を送っていた頃、今度はブラザーズ・クウェイが新作をとったとのこと。しかも実写!!マサヒデと「おい!ついに実写で撮ったぜ!」なんて言いつついそいそとユーロスペースに行きました。その名も「ベンヤメンタ学院」。スノッブな題名に胸を踊らせつつ「パンフ買っちゃおうかな!」なんてはしゃいでいました、ふたりで、、、サムい、そして痛すぎる、、、。

暗くなって上演です。イヤー楽しみだなあ!、、、、、、しかし映画が始まってしばらくたって、ぼくはこらえ切れずにマサヒデに聞きました。「コバヤシちゃん、、、コレ、いつ終わんの?」スッゲー退屈でキツいモノクロ映像が続く中マサヒデも答えます。「し、知らねえ、、、。」上演時間は軽く2時間を越えていたような気が、、、。苦行のような映画が終わり外に出ると外の景色さえモノクロに見えるほどぐったりしてしまい、しばらく口も聞けませんでした、悪い意味で。ほてほてッと歩きつつ「兄弟はあんまりどうでもいいかも。」と思ってふとマサヒデを見るとヤツはヤツで薄目で遠くを見つめて必死に映画のことを忘れようとしています。わかる、わかるよコバヤシちゃん。もう今日は話すことは何もない、早く帰ろう、と思っているとマサヒデが「じゅん、このままじゃ帰れん、ラ−メン食って帰ろう、な?」と遠くを見たまま言いました。「オッケー」と力無く答えてラーメン屋に向かいました。(続く。)